官庁訪問を振り返る (3) Q.○○省の方が評価は高いが、第一志望はここなんです
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これの第三弾です。
上記リンク記事に詳しく書いていますが、
「官庁訪問をどう突破するかの裏情報教えます」などというものではなく、
私が面接させていただいた方に対してその場で色々とフィードバックした内容についてブログ化しています。
1. Q.○○省の方が評価は高いが、第一志望はここなんです
これは確か、第二クールの面接の頻出お悩みだったと思います。要は、第三クールで訪問する省庁を選ぶ上で、志望度は劣るけど可能性の高そうなところにするのか、リスクはあるけど第一志望に突っ込むか、どうしようか、ということですね。
2. 自分のことをちゃんと知るのが大事
この問題は、もう本人が解決するしかないのですね。(だったらブログにすんなよという話ですが)
採用担当で、まさに、今年は誰と誰を採ろうかなーと考えている者であれば、「君は、残念ながら採用には至らない可能性が高い」とか言えるのですが、私みたいな、一面接官にそこまではわからないのです。
なので、かなり長い時間をかけて、その志望者の方と一緒にあーだこーだ人生の作戦を一緒に練っていたのですが、人によって本当に事情が異なるのですね。
それこそ、家族の関係でどうしても今年就職先を決めないといけないとか、そういうことまで要素に入ってくるわけです。
そうなると、重要な決断をする上で、実は自分ことをちゃんと知っておくのがものすごく大事で、しかもそれって、面接の準備とか企業研究とかに隠れてしまい、意外と忘れがちなのですよね。
あるいは、最近できた就活用語で「自己分析」というのがあるわけですが、あれも、自分の強みは何かとか、過去の体験をどううまく伝えるかとか、「外に対して自分をどう発信するか」に主眼が置かれてしまっていて、自分ってこのタイミングでどこまでリスク取れるんだっけとか、浪人した時のキャッシュフローどうなるんだっけとか、そういうところまで考えを回せている人って意外と少ない気がします。経済学的にいうと、自分の効用関数とか、自分のリスク許容度を理解しないまま官庁訪問に突入している、みたいなことでしょうか。
(特に今の)官庁訪問においては、第三クールでどこ行くか、というのがかなり重大な意思決定になってきており、第二クール終わった段階でそのリスクに直面して、どうしよう・・・となってしまう方が多い気がします。
たとえ話ですが、投資において、ポートフォリオマネージャーが、ファンドがどこまでリスク取れるかを把握せずに銘柄選定するなんてことはありえないのですね。取れるリスクとか投資方針の策定がまずあって、その上で、ハイリスク銘柄とローリスク銘柄を組み合わせながらポートフォリオを組んでいくわけです。
もちろんリスクだけではなく自分が望むものはなんだっけ、というのも大事で、
・とにかく国家公務員になりたい
・国家公務員はあくまでその業界の一つとして考えてる(ex. デベロッパー or 国交省とか)
・もう内定もらってる企業があって、ただ役所もちょっと気になるから見てる
とか、色々な選好があるはずなので、そもそもこの官庁訪問で自分はどういったアウトプットを出したいのかというのをまず持っておくと、ギリギリの選択を迫られた時に一つの指針になると思います。
もちろん、こんなややこしいこと考えずに第一志望にスッと通ってしまえば楽なのですが、得てして、その時にちゃんと考えないまま社会人になると、後で悩んだりすることがあるので、無駄にはならないと思います。
3. 自分で決断すべし
とりあえず、その面接で申し上げたのは
「検討材料(仕事の中身とか)はもう揃っているようだから、あとは、他人の言葉じゃなくて自分の力で決めた方がいいですよ」
ということでした。
(まぁこれはクレタ人のパラドックスみたいな構造で、私の言葉もあてにできなくなってしまうのですが)
採用担当のなんとかさんに強く説得されたから、という理由で決めてしまうと後々何か辛いことがあった時に、後悔しちゃうと思うのですね。もちろん、採用担当の言葉も材料の一つではあるのですが、あくまでそれは材料であって、この辺の線引きは微妙なのですが、ちゃんと自分の意思として決めるのが本当に大事だと思います。
あともう一つ申し上げたのは
「学生の時の志望度合って、僕たちの一側面しか見ないまま考えている部分もあるから、そこまで第一志望に固執しなくてもいいかもしれんし、むしろ入ったところで良い仕事をすれば納得感も加速度的に増していくと思うよ」
みたいなことでして、
学生の時に第一志望だったところに入れたから人生ハッピーかというと全くそんなことはなく、どこで仕事するかではなく、どう仕事するかがハッピー度に影響を与えると思います(これは役所に限らず全てにおいて)。
なので、就職活動時の意思決定は、前向きに生きていくための助走の一つですから、ちゃんと自分の意思決定に自分で納得するのが大事で、どこを選ぶかというのは実は瑣末なことのように私は思えます。
そんなことをお伝えしました。
4. 今何ができるか
これから官庁訪問を控える人はこの問題に対して何ができるかというと、広い世界の中でこの時代を自分はどう生きていきたいのか、というのを、おぼろげながらでもいいので考えてみるのが大事だと思います。
その土台があると、官庁訪問で何が何でもどこかに決まらないといけないのか、失敗してもいいからチャレンジしてみるのか、という官庁訪問の指針ができると思いますし、決断にも厚みが出る気がします。
これは官庁訪問に限らず一般的な就職活動でもそうだと思いますし、あるいは仕事始まってからでも常に同じ問題を皆が抱えると思います(あるいは別の言い方をすると、その思考を止めてしまったらつまらないオトナになるんじゃないかなと、私は思っています)
特に新しいネタも思いつかなかったので、すでに予告している
(4) 自分の見せ方がわかっていない
を書いて、ひとまずこのシリーズは終わりにしたいと思います。
以上です
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最近完全に消化不良になってますが、回答率80%を目指します。
<おことわり>
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(参考:総務省 『国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たって』 H25.6.28)
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