ペーパーの書き方 〜明日教養区分があるらしい〜
またアクセスが増加してる、謎だ、やっぱ解散したからか?と思って調べたら、
教養区分の試験があるのですね。
だからまた順位についての記事のアクセスが伸びている笑
kasumigasekipeople.hatenablog.com
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ブログ開設当初に書いたので、まだ慣れていなくて読みづらいものの、当ブログのアクセスランキングで常に1位に輝いている目玉記事。そろそろ改訂した方がいいかもしれない汗
正直言うと、教養区分の試験は受けたことがないので勉強法とかいまいちよくわからないですし、前日に勉強法とか調べるためにネットサーフィンしてる人もあんまりいないと思いますし、むしろ、対策のしようがないのが教養区分設立の理由の一つだったような気もするので、試験対策みたいな話はあまりできないのですが。
1. 基礎能力試験
頑張るしかない。
頑張ってください。
とりあえず1次突破したい人は、ここで読むのをやめて勉強とか精神統一とかの作業に戻ってください。
2. 論文
これは多分、何か言えることがある気がする。
前日だろうと、書き方のコツみたいなものを準備することで点数上げられそう。
結局、我々が普段ひたすら書きまくっているペーパーのノウハウが多少生きる気がするので、私がどのような点に気をつけてペーパーを書いているのかということを書くことで、少しはお役にたつかもしれません。
なお、教養試験に特化した内容ではないので、どの程度点数アップに貢献できるかは私自身自信がありません。暇つぶしの読み物ぐらいの感じで読んでください。
2-0 ペーパーとは
そもそもさっきから言ってるペーパーってなんだよって話ですが、このペーパーというのがそもそも役所文化なのかもしれません。
政策を企画立案するにあたって、当然その中身やそれを策定するにあたった背景から何から何まで記載した企画書みたいなものを書くわけですが、これをペーパーとよく呼びます。フォーマットは役所によって結構違いますし、上司の好みとかもありますが、いずれにせよ、何かしらの書類が準備されます。
「政策立案」という、ふわっとしてる割には(特に公務員試験業界で)よく使われる言葉を作業ベースに落とし込んでいくと、結局は「政策立案」=「ペーパーを書く」ということになります。だからこのペーパーを書くという作業は重要なのですね。(最近は電子化も進んでますし、物理的な紙(ペーパー)であるかは問いません)
なので、ペーパーを書けるようになると、役所でもとりあえず一人前と認められると言っていいと思います。基本的にはその仕事は課長補佐が請け負うわけですが、場合によっては係長に任せてみたり、さらにその係長が係員を巻き込んでみたり、あるいは課長がゴリゴリ書いちゃったり、これはもうケースバイケースですが、いずれにせよ、ペーパーというのは大事なのです。
2-1 誰が読むのかを考える
読んでもらうものなわけですから、まず、そのペーパーは誰が読むのかを考える必要があります。忘れがちですが重要です。当たり前ですが、一日に大量の意思決定をしなければならない総理向けのペーパーと、ある程度所掌が限定されている課長に説明するためのペーパーは、同じ政策についてのものであっても、同じもので良いわけありません。だから、課長に説明してOKをもらって、次に審議官に説明に行く時には、ペーパーの内容を書き換えることはよくあります。
そのペーパーを読む人は何を気にするのでしょうか。課長であれば、その課の責任者なわけで、局長に説明するときは(たとえ物理的に説明する人が課長補佐であっても)責任者は課長なわけですから、局長に納得してもらえるかを気にするかもしれません。局長であれば、普段からひっきりなしに電話がかかってくる業界団体を気にすることがあるでしょう。大臣であれば官邸との関係や政治的な問題が気になるかもしれません。
あるいは、そのペーパーを読むのに費やすことができる時間も相手によって異なります。じっくり読む時間がある人もいれば、国会での午前の委員会に向かう行きのタクシーの中でしか読めない人もいます。大臣とかですが。そんな移動中の大臣にA4 10枚のペーパーを渡したらブチ切れられるでしょう(想像するだけでも怖い。まぁその前に秘書官にブチ切れられますが)。
というわけで、まず、このペーパーは誰が読むのか、もう少し厳密に言うと、ペーパーを書く目的を把握するのが大事です。「課長用」と、「局長用だけどその前に課長に説明する用」では、課長が読む点は同じでも、内容は違うべきです。
(てか、これは受験生向けというよりは、新入省者向けの話ではないだろうか笑)
教養の試験の場合は、試験官が読むわけですが、それだとなんだかつまらないし視野が狭くてしょうもない答案が出来上がりそうなので、
「夏休み中に別荘でめちゃくちゃ暇してる総理に渡す用のペーパー」
みたいな想定で書くとテンション上がって楽しいのではないでしょうか。
2-2 結論をちゃんと書く
ペーパーを上司に説明した上での最悪の反応は、
「で、結局何なの?」
だと思ってます。(いや、もっと最悪なのはそのまんまゴミ箱に捨てられるとかですけど。。。)
つまり、全部読んでも結論がわからない、というのが最悪。
お前はこのペーパーで俺に何を伝えたいのかさっぱりわからない、という。
これ、意外とあるのです。よくあるパターンは、現状分析を精緻にやって、それでおしまい、みたいなやつですね。役所は評論家ではない、という言い方をすると評論家の方々に怒られてしまいますが、基本的に常に決断が求められるので、こういう問題があるので行政の対応を求めたい、なんていうことで意思決定プロセスが終わることはないのですね。
こう書くと、「いや、意思決定は政治の仕事であって、それに従うのが行政の仕事ではないのか? 結論を書いてしまうのはむしろ役人の傲慢では?」という疑問を持たれる方も多いと思いますが、それはgood questionでして、ここでいう結論というのは「こうします」という最終決定ではなくて「これがベスト(ベター)だと思います、と提案する」ということです。
確かに大方針は政治で決定されますが、実際問題として、大臣や官邸のところに、「こういう問題があります。どうしましょう」なんていうペーパーを持っていったら出禁になります(もちろん、そういうペーパーが求められる時もありますが)。間違いなく「そんなことわかってんだから、さっさと対応策を持ってこいゴルァ」という話になります。仮に持っていった策が受け入れられなくても、「なぜ行政サイドはこれが良いと思っているのか」という理屈を届けることができます。それが、民意を背負っている政治によってひっくり返されるのは本望ですし、そういう議論をしているときは割と役人冥利に尽きるところがあります。
なんか話が脇道にそれましたが、論文試験も同じで、書いているうちに盛り上がってきて色々書いちゃうことはよくありますが、設問にちゃんと対応した結論(=自分なりの答え)を書くのを忘れないように注意するといいと思います。
2-3 構成をしっかり練る
結局理屈の世界なので、理屈を伝えるためには構成をしっかりしておくことが大事です。これは求められているペーパーの長さ次第でもあるのですが、私のオーソドックスなペーパーの構成としては
まず、「現状分析」をします。こんな問題が起きてますということですね。あるいは、こんなことが閣議決定されたので何かやらないといけません、とかそういう政治的な背景もありえます。
次は「原因」でしょうか。なんでこんなことが起こってるのか。データとかも拾ってきて入れます。
で、「論点」、これが多分大事なところで、政策によって原因をダイレクトに潰せればそれで問題ないのですが、たいていの場合は、その原因を潰しにかかると他の問題が発生します。一番しょーもないけどよくあるケースは「予算がありません」とかですね笑 ただ、この論点にも大小あって、予算が足らんなんていうのはどちらかというと大した論点ではない。例えば、解雇規制を緩和して新陳代謝を図りたいが、少なくとも一時的に失業者が増加する、これは大きな論点。
そして具体的な「解決策」を提示するわけです。このとき大事なのは、解決策をいくつか考えるということです。一本槍だとそれが折れたら終了です。色々検討してそれぞれ良し悪しありますが、こういう理由でこれが良いと思います、という「結論」があるというわけです。
そして忘れてはいけないのが「工程表」で、いくら素晴らしい案でも物理的に無理だったりすると意味がありません。なので、この策で行く場合、だいたいこんなスケジュールでやりたいです、という工程表が大事です。繰り返しますが、我々は評論家ではなくて実現してナンボの実行部隊なので、どうやって実現するかというのは、中身を練るのと同じぐらい大事です。ちなみに、役所用語で後者(中身)をサブ、前者(段取り)をロジと言います。サブとロジを両方検討してあるペーパーだと良いわけですね。
まぁ試験の論文でロジとか書いてる受験生がいたら逆に引かれる気もするので(それも加点対象になるのかなぁ。よくわかりません)、
ちゃんと背景認識ができていて、論点を提示できていて、割と広範に色々な解決策を考えていて(そのことによって、自分は色々知ってるんだぜということをアピールして)、その中で、自分はこれがいいと思います、と質問に答えられていれば良いのではないでしょうか。
いやぁ、もし万が一偉い人が読んでたら恥ずかしすぎる内容になってしまった。お前ぜんぜんできてねーだろという。
しかも、こんな直前(前日)にこんなブログを見る人はいるのだろうか。採用担当やってるわけではないので、試験の日程とか知らないんですよね。
まぁ参考になったという人が少しでもいたら嬉しいです。
では試験頑張ってください。
<おことわり>
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