質問箱まとめ① 〜官庁訪問する人向け〜 ※練習問題アリ
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質問箱に頂いたご質問への回答がだいぶ溜まってきたところ、そのQ&Aだけでも資産価値がありそうなので、まとめてみました。
それと、末尾に、官庁訪問する人向けの練習問題を置いておきました。適当ですけど。
↓質問箱というのはこれのことです。
リンク貼るだけって塩対応ですけど、
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 15, 2018
私個人の体験よりも、多くのデータの集積の方が価値があると思いますので、紹介しますね。
中央省庁等の組合のアンケートです。
全員加入してるわけではないですが、参考になるかとhttps://t.co/kLOG4apenb #peing #質問箱 https://t.co/eeE8PrfX8s pic.twitter.com/cvWiG219wB
最近も残業時間についての質問が寄せられてますが、上述の通り、こういうアンケートがありますので見てみてくださいな。
霞国公 2017 年残業実態アンケート結果について
2017 年 7 月 26 日
http://tk-kokko.org/nc/?action=common_download_main&upload_id=2408
中身の意見は千差万別ですが
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 15, 2018
仮に国民の皆様が導入をご決断されたとあらば
私は全力で制度設計したいです
こんなデカイ制度変更に携われるなんて本望ですよ
主権者の決断があれば、あとは公僕が頑張って実現する、こういう話の順番だと思ってます #教えてパイセン https://t.co/srPnBqAgxW pic.twitter.com/omf9tkzcaK
理念の話と実現可能性の話があって、どうも後者で引っかかりがちなのがベーシックインカムなのですが、有権者の覚悟と政治家の覚悟と制度を設計する私たち行政官の覚悟があれば、そこは突破できると思うのですよね。
制度なんて人が作ったものですから、汗さえかけばいくらでも変えられると思います。
いえいえ、むしろ雇用主(国民)が被雇用者(公務員)にいくら払ってるかわかりづらいのがおかしいんですよ
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 15, 2018
人事局の資料のモデルケースは
35歳で年収740万円でした
ただ、職業選択の際は他との比較が問題なので、安月給を理由に官僚を蹴る人は結構います #peing #質問箱 https://t.co/nQdYYYjIeI pic.twitter.com/BTExdR8UbJ
お給料についてはこんな感じです。
かなり前のQ&Aなので、どの資料を参考にしたか定かではないですが、多分これを見たんだと思います。
国家公務員の給与 (平 成 28 年 版) 内閣人事局
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/pdf/h28_kyuyo.pdf
政治主導は昔から当然のことなので、よく言われる「官僚→政治」という変化は感じません。
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 15, 2018
一方で「官邸主導」への変化は結構強く感じます。
ただ、この言葉は現政権を形容する時によく使われますが、小選挙区制導入あたりから萌芽はあったと思います。 #peing #質問箱 https://t.co/UCO6AldnYv pic.twitter.com/34SjyH1kbz
これは説明会とかでも頻出質問なのですが、
そもそも日本の統治機構は政治が主導するという前提で設計されてますので、「政治主導」ってのは新しいアイデアでもなんでもないのです。
霞ヶ関は想像以上に多様な世界です。官民交流、法曹からの出向、、かなりの多国籍軍です。
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 15, 2018
民間から転職された方も身近にいますが、溶け込みすぎていて、その人が転職組と聞いた幹部が驚いてました。そんな感じですので、お気になさらず、ぜひお仲間に #教えてパイセン https://t.co/y6LX4hIca0 pic.twitter.com/Imr0bn8fRp
もはやこんな感じなので、大学がどうとか試験の順位がどうとか入ったらまるで関係なくなるし、入ったら関係ないということは、面接でも関係ないということになるのだが、これは学生さんにはなかなかわかって頂けないのですよね。
理系の職員も当然いますよ
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 21, 2018
今は私の周りは理系の人はたまたま少ないですけど、これはもう場所次第です
技官云々は省庁にもよるでしょうね。一概にはお答えできないです
それから、大学の専攻は理系でも事務系区分の試験を受けて入省してる人もいます #peing #質問箱 https://t.co/ABjJ3ytYdG pic.twitter.com/bty3a66Zya
これは、省庁ごとに扱いが結構違うので、各自でちゃんと確認したほうがいいです。
省庁別の採用予定数はこちらのPDFに掲載されていますが、
左に省庁の名前が並んでますが、そこで「事務系」「技術系」と別れているところは採用の入り口が完全に別れていますが、そうじゃないところもありますよね?
てか、この辺のガイダンスは人事院が主催する各種合同説明会等でちゃんとやってくれてますよね?(あるいは内閣人事局? 最近の採用に関する役割分担がよくわかってません) 心配になってきたぞ。
頼もしいですねー
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 21, 2018
たくさんありそうですが、
色々なものを自分の目で見て、経験して、社会に対する不満とか疑問とか気づきを蓄積するのが大事な気がします。
その手段は何でもいいんです。
結果として、公務員以外の道に目覚めてもいいわけですしね #peing #質問箱 https://t.co/Hk1murJ1hX pic.twitter.com/2HYVsxRl86
とりあえず、色々なものを見ておくのが大事だと思います。
公務員一直線で民間には脇目も振らず入ってきてしまうと、何かのインパクトで、一瞬で心折れたりしますから。
謎のブロガーよりは採用担当を信用したほうがいいと思いますよ笑
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 21, 2018
見ましたが、私の体感と一致してますね。まぁ数字の集計ですから
女性の方だと思いますが、私、女性の上司・同僚・部下にはなんども助けられてきました。是非お力を貸してください。#peing #質問箱 https://t.co/ArzYPPWwS5 pic.twitter.com/UBipLs8Nvg
質問者さんが貼ってくださったURLはこちらです
私は男なので(各種言動でお分かりになっていた方が多いとは思いますが、明示的に言ったこと無かった気はします)、男にはわからない女性ならではのお悩みがたくさんあろうかと思います。
官庁訪問で「女性の職員のお話を聞きたいです」と言って会わせてもらうことを強く強くオススメします。
ただ、最終的には、これは男女関係ないのですが、自分の嗅覚みたいなものを大事にしたほうがいいかもしれません。採用というのは、自分の組織にとって良いことばかり言う傾向にあるので・・・。
自分たちを撃つようなこと言っていいのかわかりませんが笑、これは官庁訪問に限った話ではなく、就職活動全般に言えることだと思います。
いますよ、身近にもいます。
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 21, 2018
あと、「過去国家公務員試験に落ちたことがある」という情報は、各省庁はわからないんじゃないかな…
100%自信ないんですけど、多分そう
履歴書見ればわかるかもしれませんが
とりあえず今年の試験まず頑張りましょう! #peing #質問箱 https://t.co/ZStgQGyejo pic.twitter.com/Q7QuVFiCoF
試験、合格されることをお祈りしております。
浪人中も、勉強漬けにならず、アンテナを高くして色々な活動に参加したり情報に触れたりすることが大切だと思います。
今の時代、どこで仕事してようと何が起こるかわかりませんから。心配しても仕方ないと思いますよ
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 22, 2018
ただ、何かあった時にすぐ飛び出せるよう、生きる力を日頃から磨いておくのは大事だと思います。ご懸念事項への一つの回答かもしれません。 #peing #質問箱 https://t.co/ng36jHhih9 pic.twitter.com/WmQA3Hn6Qf
肩たたきって、正直まだよくわかってないんですよね…
あまり先のこと考えない性格ということもあり(悪く言えば無計画)、ちゃんと考えたことないんです…
ただ、上述してますが、いつでも辞められるように、人材としての価値は常に高く維持しておきたいなと思っています。
これは結構独特な考え方なのかもしれませんが、「その組織でないと生きていけない人材」になった瞬間に、組織防衛とか上司へのごますりとか、本来国民に奉仕すべき公務員としてはおかしなことやっちゃうんだと思うんですよね。
いつでも転職できるようにしておく、というのは、一見無責任で公務員にあるまじき発想に思われるかもしれませんが、私の中ではそういう整理をした上で、今の仕事に全力投球するのがいいのかなと思ってます。
ケーキ屋の面接で、ショートケーキもモンブランも知らないけど、ケーキ作りたいです!って言う人は怪しいですよね笑
— おおくぼやまと@霞ヶ関 (@okubo_yamato) April 22, 2018
多分、ケーキ屋になりたい人はケーキのこと調べるのが楽しくて、知識が勝手に頭に入っていくと思うんですよ。無理する必要はないです #教えてパイセン https://t.co/GayfDUrTOD pic.twitter.com/hWec66lbat
何を準備したら良いでしょう、というのは、よく聞かれる質問トップ3に確実に入ってくるんですけど(最近も聞かれた記憶がある)、
これは意外と回答に困るというか、
多分、私たちは自然に、政策を考えるとか課題を発見するとかそういう発想が染み込んでしまっているので、逆に、何を準備したら良いでしょうと聞かれると困っちゃうんですよね。
それで、「なんでもいいから興味のある政策分野のことを調べたらいいよー」とか言うんですが、「だからそれのやり方がわかんないんだって」ってなるわけですよね。
なので、今日はそこのギャップを埋めようと。
まず、何かやりたい政策があったとします。
それを実現するためには
①法律・予算等の、ツール
が必要です。
次に国会の議決が必要になってくるのですが、
国会で可決されるためには多くの議員が賛成票を投じなくてはなりませんが、そのためには、「世論が必要としている」とか「業界が後押ししている(その業界が票を入れてくれる)」といった外部環境の動向が重要になります。
つまり、
②その政策のニーズがあるか
を調べないといけません。
さらに、ニーズはなくても、これは国として必要なんじゃねーかという政策は存在して、それは往往にして統計から読み取ったりするわけです。例えば一番わかりやすいのは、高齢化が進んでいて年金の財源が足らないから、年金改革をする必要があります、みたいなことですね。負担を増やして給付を減らさないといけないので、嫌がられますがやらないといけません(年金制度がぶっ壊れると困るので、潜在的には、改革のニーズがあるとも言えます。)
ですから、
③データで客観的な必要性が認められるか
というのも大事です。
①法律・予算等の、ツール
②その政策のニーズがあるか
③データで客観的な必要性が認められるか
順番ぐちゃぐちゃですが、とりあえずこんなことを調べると、「チョット深い話」ができそうですよね。
①については、省庁のウェブサイトを検索すれば、その業界で、現行の制度はどうなっているのかとか、どんな予算措置がなされているかがわかります。まぁ、細かいところまで調べる必要ないです。私たちだって、担当外のことはわからないですから。興味があれば調べてください、という話で。
②については、今の時代、ネットで適当にググれば、いろんな人がいろんな意見を言ってますから、賛成討論・反対討論を知ることができます。
ただ、ネットは玉石混交ですので、使い方には十分注意してください。
『○○年の論点』シリーズなんかは、気軽に色々な意見をインプットできるので良いと思います。
③については、分析するのはなかなか難しいですが、白書とかを読めばなんとなく雰囲気がわかります。
こんな感じで調べておけば、「なんか深い話」ができそうです。
ただ、ここで書いたようなことは少し時間を投下すれば誰でも調べられる話ですし、「何か対策しなきゃ」という焦りを抑えてくれるお薬みたいなものだと思います。
本当に大事なのは、「ここ(霞が関)で何がしたいか」だと思います。それがないと、ただの「採用面接対策」みたいになってしまって、言葉が薄っぺらくなってしまいます。
というわけで、
官庁訪問まで何やったらいいかわからんけど何もしないのもそれはそれで不安だ!という人のために、頭の体操のための宿題を置いておきますので、やってみてください。アウトプットの場所がなければ、質問箱に投下してくれてもいいですよ。
設定:あなたは急遽、総理大臣に任命されてしまいました。
1.実現したい政策を10個準備してください
2.その政策をやりたいと思ったきっかけがあるはずなので、思い出してください。
ニュースとかドキュメンタリーとか、日常の風景とか自分の体験とか、色々あるはずです。
3.あたながやりたい、だけだと根拠薄弱なので、政府の統計とかを調べて、本当に必要なのか、数字を調べてみてください。
4.実は既にもう何かしらの手当がされているかもしれませんので、似たような政策がないか調べてみてください。
5.やっぱりやったほうがいいということであれば、どの省庁に指示を出せばいいのかリストアップしてください。複数省庁を連携させる必要があることもあります。(ちなみに、ここでリストアップされた省庁が志望省庁になるかもしれませんね)
6.以上を踏まえて、総理大臣就任演説を書いてみてください。その時、知らない人にもわかりやすく書くのが大事です。これ、そのまんま省庁の志望理由になる可能性があります。
なんか、怪しげな情報商材のページみたいになっちゃったなー笑
今日はこんなところにしときます。
Twitterやってます。
質問箱もあります。匿名で質問できます。そのせいで誹謗中傷もたくさんいただきます笑 負けないぞー。Twitterでお答えしています。
<おことわり>
このブログは私が所属する組織の見解を示すものではなく、あくまで個人の見解に基づくものであります。
また正確性を一義的な目的とはしていないため、事実であるかどうかの裏づけを得ていない情報に基づく発信や不確かな内容の発信が含まれる可能性があります。
(参考:総務省 『国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たって』 H25.6.28)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000235662.pdf